【猫からエロスを学ぶ】曲線美がすべての人を惹きつけるわけ

第2話

他の生物のことはわかりませんが、人間の脳は曲線を見ると、なにやら気持ちがよくなるようにできているようです。女性のバストの丸みやウエストのくびれ、ヒップのラインはもちろんのこと、花や植物の持つ曲線、巻き貝の渦、流線の集合体である雲や波、優雅にうねる巻き髪や、布地がつくるドレープ等、見ていてうっとりするような曲線は自然界に無数存在します。曲線は官能を呼びさます形体といってもいいと思います。

猫が歩くときにできる背中のうねうねとしたカーブ、これもまた例外ではありません。とりわけ短毛種の猫は、肢体の細かい動きや骨のつらなりがダイレクトに見えるため、官能度が高めです。筆者は以前、友人が飼っていたロシアンブルーの背中から腰にかけてのラインに目が釘付けになり、延々となでてしまったことがあります（そして猫に嫌がられま した）。
曲線の持つしなやかさや不安定さ、予測できなさは、魔力のようなものをはらんでいて、人を時間の外に連れ出してしまう効能があるようです。

次回もお楽しみに！
（アオノミサコ）