遠回しに振られたサイン!? 好きな男性に「好きな人はいない」と言われたら

発言小町に「30歳にして初恋。でも彼の気持ちが分からない。」という投稿が寄せられました。同じ会社で働く6歳上の男性に恋をしているトピ主さん。“目一杯アピール”をした結果、二人きりでカラオケに行き7時間もおしゃべりするような仲に進展したそうです。

しかし、一緒に遠出する約束について、先日「本当に良いの?」と尋ねたところ、彼は「別に今は好きな人も付き合っている人もいないから良いよ」と笑顔で返答。トピ主さんは“突き落とされた気分”になってしまったといいます。「彼は確かに私を大事にしてくれていると思っていたのに、好きじゃないってどういうこと?」と困惑した気持ちを綴っています。

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目次

二人の恋の「今の状況」を、落ち着いて受け止めてみよう


彼の気持ちは彼本人にしか分かりえないこと。ですが、二人の今の関係をある程度、推測することはできそうです。まず、「交際はしていないものの仲良くしている男女」のある時点での“恋の状況”には、主に下記3つがあります。

1.すでに想いが通じていて、お互いに交際したい気持ちがある状況
2.どちらかに、別に好きな相手(パートナー)がいるなどの理由で、正式な交際を望めない状況
3.障壁はないが100%想いが通じあっているとはいえず、この先どうなるかわからない状況

<1>は二人ともがお互いを好きで、きっかけさえあれば、すぐにでも付き合えるという状況です。<2>は相手に配偶者やパートナーがいる、他に好きな人がいるなど、正式な交際自体が可能とは言えない状況。<3>はそうした障壁があるわけではないけれども、気持ちが完全に通じ合っているとはいえず、今後どちらにでも転びえる状況、ということになります。なお、時間とともに人の気持ちや状況が変わることはあるので、1~3は永久的なものというわけではありません。

トピ主さんは、今の二人の関係は<1>だと思っていたようですよね。投稿には「目が合えば笑顔、わざわざ私の所で話す為に立ち止まる、遠くからでも目があう、口パクで会話、『照れ笑いがかわいい』『素直で良いと思う』『頑張っている』と私を認めてくれる」など、その証拠と思われる彼の言動を羅列しています。

しかし彼は、「好きな人も付き合っている人もいない」と述べたため、実際には<3>の状況であることがわかりました。トピ主さんは「彼のほうも自分に好意があると思っていたのに、そうではなかった」という事実に納得がいかないようですが、彼がそう明言した以上、今のところまだ<1>の状況には至っていなかった……ということでしょう。その事実を、まずは落ち着いて受け止めてみましょう。

「好きな人も付き合っている人もいない」は、振られたわけではない


彼の行動を見る限り、彼もトピ主さんのことを好意的に思っているのは確かだと思います。友情なのか恋心なのかはさておき、関わる楽しさを感じているからこそ、二人きりのカラオケも遠出プランもOKしたのでしょう。しかしながら、今のところトピ主さんに対して「付き合いたい」「好き」と伝えて進展させたい、というまでの恋愛感情は持っていない様子。

であれば、今できるのは2択です。<A>「両思いや交際を目指して、もう少し頑張ってみる」か、<B>「きっぱりと諦める」か。トピ主さんは今、どちらを選びたいでしょうか。

トピ主さんがいつから恋をしているのかは書かれていませんが、まだ数か月~半年程度なのであれば急ぎすぎず、<A>「両思いや交際を目指して、もう少し頑張ってみる」のもひとつです。このまま仲良くしつつ、押したり、たまには引いたりもしながら、彼の恋心を高めていけるようなアプローチを頑張ってみれば、その先に想いが通じる日が来る可能性もゼロではないかもしれません。

世の中には、時間をかけないと恋愛感情が育たないタイプの人もいますし、結婚を意識し始めると交際にかなり慎重になる人もいます。先にトピ主さんのほうから好きになった恋なので、彼の気持ちのエンジンがかかるのが遅いのは、多少仕方がない部分もあるのかなと思います。

それに、「好きな人も付き合っている人もいない」という言葉は、考えようによっては前向きに捉えることもできます。もしかしたら彼は「今、他に好きな人はいないよ」と前向きな意味で伝えたかったのかもしれませんし、「特定のライバルがいないってことは、まだ私にも可能性があるってことだよね? ラッキー!」なんて明るく思い直せるならば、これからもう少し片思いを頑張ってみることもできるでしょう。

しかしながら、<B>「ここまで頑張っても好きになってもらえていないなら、諦めよう」と決断するのもひとつです。特に障害がないのに長期間、男女の仲が発展しそうでしない場合、どちらかがブレーキを引いているのが原因であるケースは多くあります。

彼は「(トピ主さんのことを)友達として好きだけど、恋愛感情ではない」と明確に気づいていて、「好きな人はいない」発言はその意図を示してきた……ということも、想像の範囲を出ませんが、ひとつの可能性として考えられます。

彼がなんとなく進展のブレーキを引いているような感触があるのならば、あるいは今回の件で、トピ主さんの彼への気持ちが盛り下がってしまったならば、今のタイミングで潔く恋を葬るのもひとつの選択です。「今度は私を好きだといってくれる人に出会いたいな!」と、人生を前へ進めていくこともできるでしょう。

「好きになった人が好きになってくれるとは限らない」のが恋。“被害者”にならないで……


投稿には「好きじゃないってどういうことなのでしょうか?」「男性は、上記の事を好きでもない人にするんですか? 信じられません」と彼を責めるような言葉が並んでいます。「私をその気にさせておいて、思わせぶりでひどい!」という怒りや、恥をかかされたような気持ちがあるのかもしれませんし、「彼の好きな人になれていなかった」という悲しみやつらさが、恨み節に変わっているのかなとも思います。

それでも、「好きになった人が、好きになってくれるとは限らない」のは恋愛の常。誰でも「自分が好きになった相手」との交際を望む権利があるけれど、それを相手に押し付けることはできないものです。

相手が自分の思うように好きになってくれなくても、思わせぶりだと感じたとしても、望んでいる関係性が違うと気づいたときは、その事実を受け止めて選択をしていくしかありません。「思わせぶり」は「私の思い違いだったんだな」と受け止め、できるだけ“被害者”気分には陥らないように努めたほうが、この先の幸せを掴(つか)みやすくなると思います。

今回が初恋だったというトピ主さん。人を好きになる楽しさや喜びだけでなく、ほろ苦さ、切なさ、悲しみなど、いろんな気持ちを経験されたことでしょう。今は落ち込んだとしても、しばらくしたら「たかが一度の恋じゃないか!」と気持ちを強く持ち直していってほしいなと思います。

叶わない恋は、世の中に無数にあるけれど、だからこそ、お互いの想いが通じる恋に出会えたとき、人はその喜びに酔いしれ、何かを諦めてでも大切に育んでいこう――と思えるのかもしれません。「成就する恋はそう簡単には出会えない、でもだからこそ価値があるのかもしれないな」なんて考えてみるのも一案です。“その日”を楽しみにしながら、自分のペースで歩いていきましょう。彼を諦めるにしろ、もう少し頑張ってみるにしろ、ぜひ前向きに人生を進めていってほしいなと願っています。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

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