ネットから始まる恋に向いているタイプは 会ったことのない人に惹かれるのはおかしい?

28歳の女性から、発言小町に「ネットやメールから始まる恋愛、一般的?」という投稿が寄せられました。婚活サイトに登録した知人女性から、「条件で絞れるからいいよ」と勧められたトピ主さん。「メールやメッセージだけのやりとりは、相手の人物像が掴みにくくてピンと来ない」と述べたところ、「考え方、変わってるね」と言われ、他の女性たちもそれに同意していたそうです。
「会ったことも喋ったこともない人に興味が持てないのは、少数派の考えなのか」「普通は(会ったことのない相手でも)興味を持てるものなのか」、意見を聞かせて欲しいとつづっています。

ネットから始まる恋に向いているタイプは 会ったことのない人に惹かれるのはおかしい?の1枚目の画像


目次

ネットやメール婚活のよさは? 向いている人は?


「1回も直接会ったことのない相手」とメッセージのやりとりをすることに疑問を呈し、「文章のやり取りだけだと、空気感や人柄が想像しにくい」「会ったこともない人にそこまで興味も湧かないので、やりとりをしても続かない気がする」という持論を述べているトピ主さん。さまざまな価値観があって当然ですし、それはそれで確固たるひとつの意見だと思います。

読者からの意見を受け、のちの投稿では「元々文通が好きな方には合うのかもしれませんね」と譲歩を示していますが、確かに人によっては「対面でのコミュニケーションよりも、文章のほうが落ち着いて書けるから好き」なんて人もいるでしょう。メール文化が浸透した今の時代、「文章だけで人柄を想像できる」「なんとなくの相性を感じ取れる」という人もいると思います。

それに、会う前にネットを通じたやりとりをすることに“メリット”がある、と考えている人もいそうです。「先に少しでも人柄が分かっているほうが安心できる」という人もいるでしょうし、出不精な人や多忙な人にとっては、負担少なくコミュニケーションができる良さもあります。「直接は聞きにくい条件や、文章での相性をクリアした相手と会うほうが無駄が少ない」と考えている人もいるでしょう。

もしかしたら知人女性たちも、「そもそも条件が合わなければ、会って興味を持てたとしても結婚相手として選ばない(選ばれない)から、先に確認してから会うほうが、効率がいい」と考えているのかもしれません。彼女たちは、最初に「ある程度、メッセージのやり取りで選別してから」→「対面で分かる空気感や人柄を知る」という順番を辿りたいのではないでしょうか。

努力できるかはモチベーション次第!? 「可能性を感じる相手」とのやり取りは楽しいのかも


一方、トピ主さんは条件や文章から伝わる人柄よりも、「対面で伝わる空気感や人柄を知ること」がまず先決、と考えているようですね。興味が持てるかもわからない相手とのやり取りは「面倒だ」と感じているようですが、もしかしたら「まだそれほど相手探しを急いでいないから」という理由も関係しているのかなと思いました。モチベーションが大きければ大きいほど、頑張れるのが人の常。その知人女性は「結婚したい思い」が相当に強いからこそ、一見、面倒と思えるようなメールのやり取りも頑張れているのかもしれません。

あるいは、まったく「面倒だ」と思っていない可能性もあります。「将来の結婚相手になるかも?」と期待できる相手とやり取りをすることを「楽しい」と感じる人もいるでしょう。「運命の相手なのかな!?」「この先どうなるだろう?」といったドキドキを感じることもあるだろうと思います。

「簡単なプロフィールだけで、『相手の事をもっと知りたい!』と興味が湧くものなの?」とのことですが、「条件をクリアしている結婚相手」を探している状況であれば、その候補が見つかった際、「好きになれそうか」「一緒にやっていけそうな相手か」を含め、相手のことを詳しく知ってみたい……と思うのは、自然なことのように思います。もちろん、メールのやり取りの途中で「この人は違うな」と気づき、興味が持てなくなれば、会わずに関係を終えることもあるでしょう。

中には、会う前から「あんな優しいことを言ってくれた、こんなうれしいことを言ってくれた……」と、メッセージのやりとりだけで相手に恋をしてしまうような人もいます。しかしながら、やり取りだけで“仲良くなったという錯覚”をしてしまい、しかし会ってみたらすごく距離を感じたり、メッセージだけでは気づけなかった受け入れがたい癖や言動を目にしてしまったり、ということもしばしばあるようです。

ネットを通じたコミュニケーションは利便性が高いですが、トピ主さんの言うとおり、対面でないと分からないことも多いのは事実。恋愛や結婚を期待してメッセージのやり取りを始めた場合は、早めに一度会ってみたほうが“認識のズレ”が小さく済み、お互いにとってメリットは大きいような気がします。

「婚活」はデリケートな話題。本心と違う言動を取ることもある


自分の考えが“少数派”だったことを気にしているトピ主さん。「ネットやメールの出会いに否定的な自分は、時代遅れなのだろうか」と不安に感じたのだろうと推測します。しかし今回の件には、別の可能性も感じました。トピ主さんはそんなつもりはなかったでしょうが、知人女性は「ネット婚活をしている自分を否定された」ように感じたのかもしれません。周囲の女性たちもそれを察したため、彼女のほうに同意をした――という可能性です。

自分が始めたネット婚活を知人に勧めたら、「会ったことも喋った事もない人に興味が持てるの?」「私は遠慮する」と言われた。そんなとき、心を割って話せる“友達”ではなければ、「あら、そう(あなたはそう考えるのね)」と深入りせず対応するのが一般的だと思います。しかし知人女性の場合は、少し気分を害する部分があって、「でも、私みたいな考えの女性はたくさんいるわよ」と主張したくて、「あなた(のほうが)変わってる」と言ったのかもしれません。あくまでひとつの可能性ですが、こんな心理的背景も考えられるでしょう。

恋愛や結婚というのは、多くの人にとってデリケートな感情を伴う話題です。思わぬ拍子に、相手の自己肯定感や自己否定感、優越感や劣等感などを刺激してしまうこともあります。そうした感情にいつもいつでも配慮すべき……というわけではないのですが、相手の立場に立って考えてみると、時に思いもよらない背景が見えてくることも。

どんな出会い方(婚活)にも長所・短所はありますし、性格や状況による向き・不向きもあります。仮に自分の考えや選択が少数派だったとしても、「私はこれが正しいと思う。だからこうする」という姿勢でいるのが、一番健全ではないでしょうか。同時に、自分と違う他人の価値観も面と向かって否定するような言動はしないよう心がけておくと、無用な諍(いさか)いも避けられると思います。

「会ったこともない相手とのメッセージのやりとりは気が進まないから、しない」ということであれば、積極的に外に出かけていくなど努力は必要でしょうが、自分の考えどおりに行動したほうが、同じ価値観を持った異性とも出会いやすいでしょう。もしかしたら、いずれ考えが変わり、「ネットの出会いも視野に入れてみよう」と思う日が来るかもしれませんが、そうなったらそのときに始めてみればいいと思います。

どうぞ柔軟に、しかし自分の信念は大切にいきましょう。婚活も人生もぜひ“自分らしく”進めていってくださいね。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

関連記事