遠距離恋愛の不安を解消するには 遠距離になる前に彼氏と結婚するのはあり? 


発言小町に「年下の彼氏との将来について……」という投稿が寄せられました。トピ主さんは24歳女性。交際期間が4年以上になる22歳の彼氏がいます。彼は学生で就職を控えており、春から1年間遠距離になることが決まっているそうです。

彼の両親から「その前に籍だけでも入れたら?」と言われたことをきっかけに、トピ主さんは結婚を考え始めましたが、彼は乗り気ではない様子。1年間ひたすら待つだけというのが正直不安で仕方ない……というトピ主さんは、「彼と安心して遠距離をするために、籍を入れておきたいというのは私のわがままでしょうか」とアドバイスを求めています。

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結婚は不安を消すための最良の方法なの?



「学生相手に結婚の話は早すぎて申し訳ないという気持ちもある」とつづりつつも、「籍だけでも入れておきたい」と主張を曲げないトピ主さん。しかし、彼は今すぐそうしたいとは考えておらず、「信じてもう少し待っていてほしい」と言っている。現状、二人の主張は明確に食い違っているという事実は、まず理解したいところです。

結婚には両者の同意が必要ですから、無理強いをすることはできないですよね。結婚は二人での人生の始まりですし、ここで強引に物事を進めてしまうと、決定的な不信や別れにもつながりかねません。

読者からのアドバイスにもあるように、「できちゃった婚を狙う」「彼の両親を味方につけて丸め込む」なんて方法も現実にはないわけではありませんが、あまり作為的な行動をすれば彼の気持ちが離れてしまうリスクもあります。そのリスクを犯してでも、強引に結婚に持ち込みたいというならば止めはしませんが……。

意見がすれ違うときは、お互いの妥協点を探ってみよう


もしそういった方法以外で前向きな解決を望んでいるのであれば、お互いの妥協点を探ることをおすすめします。たとえば、「今すぐには結婚できないけれど、毎日のLINEは欠かさない」といった具体的な約束を取り付けるのもひとつです。今はSNSなどのツールもありますし、遠距離の恋愛も乗り越えやすくなっているのは事実です。

遠距離で怖いのは、“生活”がすれ違ってしまうことですよね。二人で会う時間は絶対に確保してもらうよう、「月に1~2回は必ず会う」という約束をするのもいいと思います。会えない間は、結婚したらできなくなることを楽しんだり、結婚の準備になることを頑張ったりしてみるのもおすすめです。

離れている間に新鮮な魅力を増していれば、彼もトピ主さんを手放したくない思いが高まることでしょう。「まだ結婚を決意できるほど気持ちが高まっていないなら、この先もっと惚れさせてプロポーズさせてやる!」なんて思いで頑張ってみるのもいいかもしれませんね。

変化はピンチでもあり、チャンスでもある。どちらを信じてみる?



今後の不安について、「ずっと待っていて結局別れることになったら?」「他に好きな人ができたら?」「待っていた時間が無駄になったらどうしよう?」と語っているトピ主さん。ですがこの3つ、よく考えれば遠距離恋愛だけに限らない悩みですよね。近くにいても別れることになる場合もあるし、他に好きな人ができてしまうことだってある。「待っていた時間が無駄に……」というのも、結婚に至らないすべての恋愛に共通する悩みです。

仮に今すぐ結婚したところで、遠距離になった後の関係がうまくいかなければ、結局は離婚となる可能性だってあるわけです。籍を入れて縛っておかないと不安になってしまう関係というのは、少し頼りなくも感じませんか? トピ主さんが今考えなくてはならないのは、「今後どうやったら不安にならずに、楽しく仲良く交際を続けていけるか」という点のような気もします。

社会人になるのは、カップルのひとつの試練


おそらく、彼が「就職する」ということと、「浮気をした過去があること」の二つが大きな不安材料なのでしょう。学生から社会人になると、生活は大きく変わります。一人前に自分のお金が稼げるし、知り合う人や生活パターンもがらりと変わる。遠距離でなくとも、この変化に適合できずに別れていくカップルはたくさんいます。この変化を乗り越えられるかどうかは、ひとつの試練かもしれません。

でも、実際には社会的な刺激を受けて、結婚への意思が固まることだってあるかもしれません。知らない土地に行って、初めての仕事は大変で、食生活も不摂生になり、彼のほうが寂しくしんどい思いをするかもしれません。そんなとき、変わらず優しく接してくれる彼女の存在がありがたく感じられ、「そばにいてほしい」「生活を支えてほしい」などと強く思うようになり、男性から結婚を申し込んでくる……なんて事例もたくさん見てきました。

遠距離になるという変化を、トピ主さんは「ピンチ」としかとらえていないようですが、もしかしたら逆に「チャンス」かもしれない、ということです。会えない時間にこそ、パートナーのありがたみを感じるということもありますよね。「私から離れて寂しくなるのは、むしろ彼のほうだ!」くらいに堂々と構えていれば、何の問題もなく順調に交際は続き、そのうち自然に結婚にも至るかもしれません。

浮気しそうだから籍を入れておきたい!?


続いて、浮気について。トピ主さんが「籍だけでも入れたい」と急ぐのは、離れて暮らす彼に女性を寄せつけたくないため、という意図もあるのかなと推測します。でも、彼が本気で「トピ主さんとの関係を大事にしよう」と思っていなければ、結婚という形で縛ってみたところで、浮気どころか今度は不倫騒動が起きるだけです。抜け道はいくらでもありますし、籍を入れたところでトピ主さんの気構えが変わらなければ、不安は尽きないように思います。

「今度浮気をしたら絶対に別れるからね」と釘をさし、トピ主さんも本気の覚悟を示しておきましょう。「浮気されたらどうしよう……」ではなく、「彼が将来の伴侶で本当にいいのかどうか、見極める!」くらいの気持ちでいるのがベストのように思います。

「結婚してもやっていけそうだ」という自信がつくまでは決断しにくい



それに彼は今学生で、自分のお金を稼いでいないという事実は、結婚を決断できない理由として大きなものだと思います。二人が専業主婦やそれに近い関係を考えているかどうかはわかりませんが、「妻子を抱えてやっていけるだろうか」という結婚への不安は、一般的に男性のほうが大きいものです。彼は社会人になって自分がどうなるのか、その会社で頑張っていけるのかどうかも確かでない状況。将来に対してある程度の自信が持てないと、男性は結婚を決断しにくい傾向があるのは事実です。

遠距離で不安になる気持ちはよくわかります。でもだからといって、その不安を消すために、相手の状況や気持ちを考えずに要求過多になりすぎると、男女関係は危機を迎えがちです。結婚という形にとらわれすぎて本末転倒にならないよう、「二人の関係を良好に維持する方向に努力する」というのが、現状ベストなのかなという印象も受けました。

どんな心構えでいれば結婚にたどり着ける?


“彼のことばかり考える女性”になってしまわず、「大切にしてくれないなら、よそへ行っちゃうよ」くらいの余裕を見せるのもひとつ。彼に一途な気持ちを捧げていたいならば、童話『北風と太陽』の太陽のように、不安をぶつけるのではなく、彼を暖め、居心地いい時間を作ることに専念するのがおすすめです。「二人が本当に愛し合っていれば、遠距離も乗り越えられるはず」「離れてダメになる関係なら、それまでだ」と信念を強く持っておくのもいいと思います。

いざ遠距離になってみてどうしても寂しければ、そのときにもう一度「どういう形をとるのが最良か」を二人で話し合ってみてはいかがでしょうか。そのときには、彼の気持ちや意見も変わっているかもしれません。まだ何も起きていないことへの不安にとらわれすぎて、今ある彼との幸せを見失わないように。一日一日を大切に育んでいってくださいね。
(外山ゆひら)

この記事を書いたライター

外山ゆひら
対人関係、心や生き方に関する記事執筆が中心のフリーランスライター。読売新聞が運営する「発言小町」の相談コラムや、「恋活小町」を担当する。文芸、カルチャー、エンターテイメント方面を日々ウォッチしている。

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