北村匠海さんが“余命ゼロ日”の彼女に恋をする 映画『君は月夜に光り輝く』

“余命ゼロ日”の彼女と、彼女が病に侵されていると知りながら恋に落ちる僕との純愛を描いた映画『君は月夜に光り輝く』が3月15日より公開となります。

“発光病”という細胞異常により皮膚が発光する不治の病に犯されながらも、明るく生きる渡良瀬まみずを永野芽郁さんが演じ、そんなまみずに惹かれて行く高校のクラスメイト、岡田卓也を北村匠海さんが演じています。“発光病”というこの世にはない病気がキーとなる物語ではありますが、二人の心情はとてもリアルで、感情移入せずにはいられない作品となっています。


ローリエプレス編集部では、死にゆく彼女に恋してしまうという難しい役柄を演じた北村匠海さんにインタビュー♡ 演じた卓也への想いや、初共演となった永野さんとのエピソードなど今作への熱い心情を語っていただきました!


目次

『キミスイ』とは全く違う物語




今作の監督をつとめる月川翔さんと北村さんと言えば、映画『君の膵臓をたべたい』でタッグを組み、ヒット作を生み出した二人。この作品で北村さんは日本アカデミー賞 新人俳優賞も受賞し、一気にその名を世間へ広めました! 

そんな月川さんと再び組み、奇しくも役柄が余命わずかな女性と恋をするという共通点もあって、オファーがあったときは「葛藤もあった」と北村さん。

「最初にお話を聞いたときは、『キミスイ(君の膵臓をたべたい)』と内容も近いと思って、監督とプロデューサーの方には僕がやっていいのかどうかという話をさせて頂きました。でもこれは観て頂ければすぐにわかると思うし、僕自身がお話を読んで、当たり前にストーリーは全然違うし、伝えたいことや色味も違うとわかったので、『やらせて頂きたいです』とお返事しました。この作品の観ているだけで心地よくなれるような感覚であったり、温かさはすごく素敵だなって思いましたし、何よりまみずという役を永野芽郁ちゃんがやると聞いて、すぐにその姿が思い浮かぶような。彼女は僕より年下ですけど強さもあるし、それでいて年相応のかわいらしいところもあって、まみずと重なるものを感じて楽しみだなっていうのもありました。それに、(『キミスイ』との)差別化を考えることなく、これを思ったままにやって欲しいとも言われたので、もう自由にやらせて頂きますっていう感じでした」

――やはり最初は『キミスイ』と重なってしまうかもという心配はあったんですね。

「どうしても先入観ってあると思うんですよ。それに『キミスイ』はこの作品に限らず、僕のイメージとしてついて回るのだとも思っているので。だからある意味、今回はそれを逆手に取るじゃないですけど、敢えて近いものにして、自分にとっては挑戦に近い感覚もあります」

(C)2019「君は月夜に光り輝く」製作委員会

(C)2019「君は月夜に光り輝く」製作委員会

――月川さんとの今回の現場はいかがでしたか?

「お互いに信頼し合っている部分もありますし、月川さんからは僕のお芝居を見てて安心するって言ってもらえました。月川さんがこのシーンで何を求めているかとか、僕と芽郁ちゃんが現場で起こす偶然みたいなものも期待してるんだろうなとか、そんなことを考えながら、できる限りのことはやりました。僕は月川さんが作り出す現場の雰囲気がすごく好きで、終わって欲しくない、もっとやっていたいって思う現場でした。現場に行くのに、家に帰るような気持ちになれるというか。もちろん朝早くからの撮影が毎日続いたりはするんですけど、ただいま感があるっていう、不思議な感覚もありました」


――全編を通して“発光病”という現実にはない病気を扱いながら、そこで起こる感情はすごくリアルに感じました。

「僕も最初に概要を聞いたときはファンタジー要素が強いのかな? って思ったし、リアルにはない病気なので、まずはそこを観ている人に理解をしてもらえないと、感情が伝わりづらくなってしまうなとは思いました。発光病は感情が高まると病状が悪化してしまうから、ただ幸せと感じるだけでも進行してしまうんですけど、まみずが発光するのって、卓也との時間が本当に充実しているからこそでもあって。月川さんはこの映画を“命が輝く映画”って言っていて、僕もその言葉を使わせて頂いてるんですけど、ホントにその通りなんですよね。命が輝くときにまみずは発光するので。僕自身、演じていて純愛というか、二人が常に想い合っている感覚がすごく心に染みて。どこかのシーンで大量に涙が出るというよりは、じんわりと想いが染みていって、観終わったあともずっと心に何かが残り続けるような作品になったんじゃないかなって思っています」

余命ゼロの彼女を好きになるのは難しい




演じた卓也はどこにでもいるような普通の高校生。北村さんも「中間よりチョイ上くらい(笑)」と言います。ただお姉さんによって受けた心の傷も抱えていて複雑な心情もあり、まみずに対する想いは周りの人たちを動かすほどに強いものを持っています。

「卓也って勉強も運動もそこそこであんまり日の目を浴びないタイプだと思うんですけど、最初、そのどっちにも振れてない人をやるのが難しくて。ただ撮影の順番的に、前半に卓也が代行体験をしたり、いろんな人のところに行って話をしたり、学校のシーンだったりを撮って、後半に芽郁ちゃんとのシーンを凝縮して撮れたので、他の人といるときの感じと、まみずと一緒にいる感じの違いを出すことはできたかなと。序盤に基本の卓也を作れたからこそ、好きな人の前ではこうなんだみたいなのはできたかと思います。卓也を演じる上で、まみずにしか見せない顔とか、卓也ってこんな顔もするんだっていうのはすごく意識していたので。特に病室のシーンは、何となく異性同士でお互いのことをいいなって思っている感じとか、何を話していても楽しい感じとかが出ればいいなって思いながらやってました」

――卓也って普通なんですけど、それこそまみずに見せる一面ですごくカッコいい! と感じる瞬間もあるんですよ。

「僕自身はイケメンを演じるつもりは全くなかったんですけど(笑)、普通の男の子がとにかくこの人のためにって思いで頑張る姿がそう見えたのなら嬉しいですね。でも卓也は地味だけどとてつもなく優しい男の子ではあるし、この映画はラブストーリーでもあるので、そうやって感情移入してもらえるのは良かったです」

――北村さん自身は卓也のことをどう思っていましたか?

「僕が卓也の一番好きなところは、いろんな人の思いの受け皿となっていることですね。まみずの想いはもちろん、まみずのお父さん、お母さん、それから自分のお母さんや同級生まで、全部の人たちの想いを受け取ってあげられる卓也はすごく素敵だなって思いました。ホントに優しいんですよね。優しいって言葉で言ってしまうのは簡単だけど、一人の人のためにここまでできるってすごいなって。代行一つ取ってもそうですけど、まみずのお父さんにかける言葉であったり、優香さん演じる看護師さんにあそこまで強くものを言えたり」

(C)2019「君は月夜に光り輝く」製作委員会

(C)2019「君は月夜に光り輝く」製作委員会

――もし北村さんが卓也の立場だったら?

「あんな風にするのは難しいと思います。余命ゼロの彼女を好きになる覚悟もそうだし。ためらってしまうと思うし、ためらったら止まっちゃう気がします。でも卓也は想いが止まることがなくて、まみずからもう終わりにしようって言われても、自分に何かできないかを探す。真似できるもんじゃないなって」

――卓也はどうしてまみずに惹かれたんでしょうね。

「最初はお姉さんのこともあったとは思うんです。でも代行をして行くうちに、段々とお姉さんの影が消えていって、まみずだけが自分の中に映るようになっていって。卓也がまみずのことを好きかもって気づく芝居はないんですよ。だからホントにいつの間にか特別な人になっていたんだと思います。病気のことも知っていて、ましてや、おなじ発光病が原因で自分の家族も失った経験がありながら、まみずに突き動かされて行ったんじゃないかな」

すごく好きな作品。早く公開して欲しい


(C)2019「君は月夜に光り輝く」製作委員会

(C)2019「君は月夜に光り輝く」製作委員会

まみずを演じた永野さんと北村さんは同じ所属事務所ですが、共演は今回が初めて! でも初とは思えないほど、お互いにお芝居がやりやすいと感じたそう。

「芽郁ちゃんは年齢不詳っていうイメージがあって(笑)。それで会ってみたら、すごく奥深い人なんだなって思いました。表面的には天真爛漫で、現場のムードメイカーでもあるんですけど、お芝居を一緒にしてみるとすごく繊細な部分が見えてきたりもして。お互いに話してもいたんですけど、芝居のスタンスが似ている部分もあって、とってもやりやすかったです。実際に芽郁ちゃんとのシーンは計10日くらいで凝縮して撮ったんですけど、楽屋が一個しかなかったこともあって、二人して休憩時間に爆睡みたいな(笑)、家でしか見せないようなお互いの姿も見せられるくらい、気を使わない間柄になれて。なぜかよく知り合ってないとなかなか話せないような内容のことも話せて。不思議な感じでしたね」


――相手が永野さんだったからこそできたなというお芝居も?

「どの場面も常に芽郁ちゃんに感情を動かされていたと思います。特に、ボロボロのまみずを卓也が病室から連れ出すシーンがあるんですけど、あそこは台本ではお姫様抱っこをするってなっていたんです。でもそこまでやってきた中で、まみずとはお姫様抱っことかではない、違う繋がりを感じていたので、監督に他のアクションを提案して、結果的にそれが採用されたんです。ただそれも相手が芽郁ちゃんだったから、お姫様抱っこっていうアクションがなくても涙がこぼれてしまうようなシーンになったと思うし、卓也として、まだまみずが今を生きているっていう感覚がもてたのは、芽郁ちゃんのおかげだと思っています。予告編でも出ているように、まみずは最後、消えてしまうんですけど、それを目で訴えかけてくれたのは芽郁ちゃんだったので」

――そこから屋上へのシーンは涙が止まりませんでした。

「スタッフさんも段取りの段階から泣いている方もいて。本番が終わったら、監督も泣きながら僕らに駆け寄って来て、なんも言えないって言ってくれたり。僕らの芝居で心が動いてくれるスタッフさんたちがすごく多くて。そういうことがあるから必ずしもいい作品になるとは限らないですけど、ここにみんながかけた熱量だったり、想いみたいなものは映像に乗っていると思います。僕自身、すごく好きな作品だし、今は早く公開して欲しいなって思っています」



たっぷりと今作に対する熱い想いは語って頂いたので、少しだけ、北村さんの素顔が見える質問にも答えて頂きました!

――代行では一人でいろんなことに挑戦していましたよね。

「一人遊園地は絶対に無理って思いました(笑)。芝居ってわかってはいても恥ずかしかったです。ましてや耳までつけて。あれはとしまえんで撮影したんですけど、実は昔、あの付近に住んでいたことがあって、昔からの知り合いも多いんですよ。だからこれを嗅ぎつけて来るんじゃないかって、ずっとひやひやしてて。案の定、撮影が終わって、僕が好きなラーメン屋さんに並んでいたら同級生に会って。いや~、あぶね~って(笑)」

――北村さんは余命わずかとなったら何がしたいですか? 例えば、あと1週間しかなかったら。

「そしたら一週間まるごと旅に出ます。ヨーロッパに行ってみたいです。アメリカとかアジア圏は行ったことがあるんですけど、ヨーロッパはまだ行ったことがないので。パリとか、アムステルダムとか、向こうの街並みがすごく好きなんですよ。建築もカッコいいですよね。死ぬ前には見てみたいなって思っています」


北村さんと永野さんが織り成す純愛物語に切ないながらも心が温かくなる、映画『君は月夜に光り輝く』は3月15日より全国ロードショーです♡


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※応募期間:2019年3月14日(木)~2019年3月25日(月)まで

みなさまのご応募、お待ちしております♡

作品紹介


(C)2019「君は月夜に光り輝く」製作委員会

映画『君は月夜に光り輝く』
3月15日(金)より全国ロードショー
出演:永野芽郁、北村匠海、甲斐翔真、松本穂香、今田美桜/優香、生田智子、長谷川京子、及川光博

ストーリー


高校生の岡田卓也(北村匠海)は、ある日、入院中で会ったことのないクラスメイトの渡良瀬まみず(永野芽郁)に寄せ書きを届けに行く役目を押し付けられる。まみずは“発光病”という細胞異常により皮膚が発光し、徐々に死に至るという不治の病に侵されてたいたが、初対面の卓也にも明るく振る舞い、またお見舞いに来て欲しいとお願いする。後日、再びまみずのもとを訪れた卓也は、まみずが大事にするスーノードームを誤って壊してしまい、そのお詫びにまみずのお願いを聞くことに。それは、病院から出ることのできないまみずに代わって、まみずがやりたいことを“代行体験”するというもの。まみずは卓也の“代行体験”のおかげで人生の楽しみ覚え、卓也はそんなまみずに徐々に惹かれて行く。だが発光病を患って成人まで生存した者はおらず、まみずにもその時が迫って来る。
(瀧本幸恵/カメラマン:大川晋児)

応募期間は終了いたしました。
たくさんのご応募ありがとうございました。(2019年3月25日現在)

この記事を書いたライター

瀧本幸恵
編集&ライター。映画、TV、音楽などのエンターテインメント系で主にお仕事をさせて頂いています

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