僕がヒモ男になろうとしたわけじゃないのに。女友達が「私が養う」とお世話したくなるワケ【モア・ボイス18・前編】

1980年──、いまから約40年前。女性の「性」の本音を語る「モア・リポート」が誕生し、延べ1万2千人を超える女性たちの性を見つめてきました。

そして多様性社会を生きる今、「モア・リポート」と並行して性別を問わずジェンダーレスに20・30代の体験談を取材し、彼らの恋愛やセックスの本音に迫る「モア・ボイス」の連載をお届けします!

目次

つきあっていない女性とルームシェア。25歳男性の本音

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ーDATAー

岡山さん(仮名)/25歳/独身/男性

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ノリで女友達と同居をスタート

――交際経験はないが、女性と同棲をした経験がある?

はい。現在もA子(20代)とルームシェアをしています(以下同、岡山さん)



――A子さんとはどういう関係ですか?

ぶっちゃけ体の関係はありますけど、つきあっていません。友達です。



――どういうきっかけでルームシェアすることになったのですか?

A子は、学生時代からの友人で、ある日「今の部屋を引っ越したいんだよね」と相談されたんです。当時、僕はひとり暮らしをしていたので「俺の部屋にくる?」と声をかけたのがきっかけです。



――つきあっていない男女が一緒に住むというのは、あまりないシチュエーションだと思います。

そうですよね。僕もノリで言ったみたいなところがあったんですが、A子は「じゃあ、行く!」と言って、荷物をまとめて僕の部屋にやって来たんです。

その後、部屋が狭かったので、ふたりで2LDKの部屋に引っ越した感じですね。A子と住めば、家賃も生活費も安くなるので、僕にとってはラッキーだったんです。

恋愛感情はないけど、求められればセックス

――その後、A子さんと恋人同士にならなかった?

なりませんでした。そもそも僕はA子のことを恋愛対象として見ていません。それに僕は、今までの人生で恋人ができたことが一度もないんです。



――それはなぜですか?

単純に自分の好きなタイプの人から好かれないからですかね。逆に自分のタイプではない人に好かれることはよくあるんですけど。A子も僕のタイプではなかったので、恋人同士になりたいとは思いませんでした。



――では、A子さんは体の関係のある女友達ということですか?

そうですね。ちなみに僕からA子をセックスに誘ったことは一度もありません。彼女から誘われたら、しぶしぶ応じる形でしていました。


――A子さんと一緒に生活していて、つきあおうという流れにはならなかった?

ならなかったですね。ただ、同棲してしばらくたった時、A子から「好きなんだけど、付き合ってくれない?」と告白されました。僕的にそういう気持ちはなかったので、お断りするとともに、もう同棲を解消しようと決めたんです。でも当時の僕は、勤めていた会社を体調不良でやめたばかりで、金銭的に余裕がなく、すぐに引っ越しに踏み切れない状況でした。

「私が養うから」という彼女の一言で同棲を継続

――新しい部屋を借りるには金銭的なハードルが高かったのですね。

はい。どうしようかと悩んでいたら、A子が「私が養うから、ここにいなよ」と言ってくれました。正直、家賃や生活費を払うのも厳しい状況だったので、A子に甘えさせてもらうことにしたんです。養ってもらう代わりに、僕が家事全般をやっていました。



――A子さんはこの時もまだ岡山さんに恋愛感情を持っていたのですか?

そうですね。A子は「いつか振り向いてもらえるように頑張る!」と言っていました。



――A子さんの言葉に岡山さんはなんと答えたのですか?

「ありがとう」と、受けながしました。だけどぶっちゃけ彼女を好きになることはこの先もないだろうな、とは思っていて、それが伝わったのかもしれません。

この頃から、僕に対してA子の束縛や嫉妬が増えてきていました。そしてある日、A子は「もうこの関係は無理!」と言って、実家に帰ったんです。

――突然、家から出ていったですか?

突然です。これで僕たちの2年半の同棲生活は幕を閉じました。



――その後、どうなったのですか?

その後、一瞬だけひとり暮らしをしたのですが、また別の女友達の部屋に居候させてもらうことになりました。次は女性ふたりで住んでいる部屋。女ふたり、男ひとりの生活がはじまりました。

取材・文/毒島サチコ

後編へ続く。女ふたり男ひとりで同棲「居候させてもらっているからセックスでお礼」

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